TALK MEMBER

国際営業
2013年入社

基本設計
2008年入社

技術と営業が連携して 提案段階からニーズ開拓に努める
お二人それぞれの業務内容について教えてください。

情報を徹底共有し 先回りの提案を実践
営業と技術のかかわりという意味で、印象に残る案件はありますか?

数年前、液化天然ガス(LNG)を運ぶ大型船を連続して建造するビッグプロジェクトが舞い込んできました。コスト的には同業他社に比べて劣勢だったのですが、営業が「船主が品質を重要視している」という声をキャッチしたのを受け、品質とアフターサービス体制について満足していただける仕様を固めて提案したところ、逆転で受注につながりました。

2013年は、現在と比較するとLNG船の建造隻数が少なかった時期ですね。LNG運搬船の新造船建造隻数はエネルギー市場の需給バランスにより波があります。

そうそう。不定期に何回か納入したことがあったものの、数年に1度というペースだったので、確固たるノウハウが蓄積されていませんでした。そこで、過去の不具合等の事例を整理し、設計段階で徹底して再発防止を進めていったことも信用につながったのだと思いますね。
そうした技術職の方たちの努力が、今、御社がLNG運搬船で確かな実績を残す土台となったのですね。
一方、営業として心に残る案件は?

港に停泊中、船内の発電機を止めて陸上から電源を供給する陸電供給システムという製品があります。アイドリングストップのような形でCO2削減を目指す環境対策機器なのですが、何年か前にシンガポールの船主が陸電供給システムの新規案件を検討しているとの情報をキャッチ。先ほどのLNG船の案件と同様、当社は金額的に劣勢に立たされそうな空気でしたので、営業と技術が連携して受注戦略を立案しました。

陸電供給システムも近年の当社の主力商品になりつつありますね。当時はどのように連携していったのですか?

技術的に囲い込む戦略を取りました。寺崎電気産業の技術的な優位性、安全性の高さについて、設計担当者にドキュメントにまとめてもらうことで、当社を推していただける合理的な理由を提示しました。営業側としても案件の初期段階からシンガポールに訪問するなどして徹底的に情報を収集。そうした努力の結果、価格的には多少高くても、当社の品質ならば信頼できると受注に至りました。営業と技術がTEAM TERASAKIとして一丸となった受注活動が成就した思い出深い案件となりましたね。

真面目に、真摯に向き合う姿勢が テラサキの企業文化
営業から見た技術の凄味と言ったら、どのような部分が挙げられますか?

社風でもあるのですが、寺崎電気産業の技術者は基本に忠実で、絶対に変えるべきではないところは守り抜く真面目さを持っています。一方で新しい技術への挑戦にも貪欲で、リスクを理解した上で時代の最先端を取り込んでいく姿勢にはいつも感心させられます。

おっしゃる通り、真面目な社風は確かに根付いていますね。技術者たちは絶対に安全第一で、石橋を叩いて渡るというのは徹底的に行っています。だからといって変化を拒むのではなく、事前に入念に調査してきちんと“裏取り”した上で、果敢にチャレンジしていくのも当社の技術者です。

技術のメンバーは闇雲に「できない」と拒絶することはありません。長年にわたって蓄積してきた技術的知見をアレンジして、要望に近い代替案を検討してくれるので、お客様の心に寄り添った提案ができているのはありがたいところですね。
技術から見た営業の凄味はどこに感じていますか?

営業担当者たちはお客様とのパートナーシップをしっかりと構築するために、綿密に対話やコミュニケーションを繰り広げ、ニーズを上手に把握しています。そこで得た情報をタイムリーに技術部に展開してくれるおかげで、要望を反映した提案を迅速に形にしていくことができています。

営業は文系出身が多いので、電気の知識が壁になることがありますが、本社では、技術系の部署と同じビルで勤務していますから質問しやすい環境であるのは営業としてもとても助かっています。

それは技術にとっても同様です。営業からの情報がいち早く得られるのは設計を進める上で、プラスに働いていますね。

次なる未来の支える新事業を 全員で一体となって考えていきたい
改めてこの仕事のやりがいは、どこに感じていますか?

島国である日本は、総貿易量の99%を船に依存しています。船舶用配電盤などの提案を通して、日本に生きる人たちの生活に貢献できる点が、働いていく上でのモチベーションとなっています。

そこは私も同様ですね。安全運航に必要不可欠な船舶用配電盤システムに携わっていられること自体がやりがいにつながっています。一口に船といってもその種類は多種多様ですから、それぞれの仕様に合わせてカスタマイズしていく中で、自分のオリジナリティを発揮できるのも面白いところです。

案件の概要を聞いたとき、営業としては「どう提案していこう」と悩むことがよくあります。そこを乗り越えるべく、技術部と一緒になって戦略的に解決策を考えていくプロセスも、仕事をする上で楽しいと思える瞬間です。
これからの目標について教えてください。

寺崎電気産業のビジネスは刃切開閉器(ナイフスイッチ)事業から始まり、そこから配電盤の製造・販売に発展してきました。そうしたベースとなるビジネスは引き続き伸ばし続けていくのはもちろん、海外メーカーとの価格競争が激しくなっている中では、技術的な差別化が急務となっています。今後、エンドユーザーがまだ気づいていないような潜在的なニーズを探し出し、新しい可能性を切り開いていきたいですね。

船舶の世界も環境対策システム、再生可能エネルギーを使ったシステムの導入が進んでいます。一方でデジタル化が立ち遅れている部分はあるので、その対応も必要になるでしょう。最新技術をどんどん取り入れて技術力をさらに高め、新しいビジネスへの対応を進めていきたいですね。

社内には新分野を開拓しようとの意欲にあふれる営業と技術が増えています。ともに連携しながら新たな事業の確立を継続していくつもりです。

営業が掴んだ最新情報は技術部にいち早く展開してもらっていますし、反対に技術がつかんだ最新情報を営業に渡すこともしばしば。お互いに切磋琢磨しながら差別化できる収益性の高いビジネスモデルを生み出していければ嬉しいですね。
商船向けの配電制御システムの営業を専門としています。主なお客様は造船所で、船に合わせた配電盤や監視制御システムなどを提案した上で、製造、納入までをトータルに支えていくことになります。
その船舶用配電盤と付随するシステムに関して、オーダーに合わせて設計していくのが私の務め。彼は海外、私は国内向けと担当が違うので二人の間で直接の仕事のつながりはないのですが、営業と技術が一体となることなしに、設計は進んでいかないと日々、実感しています。
営業は日頃からお客様とコミュニケーションを重ねて、新規案件獲得のための情報収集を行っていますが、お客様の状況次第では、受注するはるか以前の段階から、設計とともに技術提案を行いながら潜在的なニーズの掘り起しに努めています。
受注活動は長期にわたることも多いですよね。
プロジェクトによって変わりますが、新技術を使うような大型案件ですと、2年、3年という長期期に渡ることもあります。ただ、一般商船の案件であれば数カ月程度で受注活動が完了します。
受注後は仕様書に則って設計図を作成し、お客様にて図面が承認された後、工場に生産を依頼することになります。
モノづくりが進んできた段階では、営業はお客様と設計、工場の橋渡し役を担います。完成後は造船所での試運転にアテンドする技師の派遣の調整も行いますし、保証期間内はアフターメンテナンスの窓口にもなっており、文字通り案件の最初から最後までを支えています。
設計者も現場から図面に対するフィードバックを受けることもありますし、出荷後に改造工事が必要になった時は設計図面を変更することもあります。営業ほどではないですが、私たちも長い視点でモノづくりに向き合っています。